2008年10月5日阿蘇山

ホテルのご主人に聞くと、内牧温泉から阿蘇山へ直行バスがあるがあるという。
9時33分発に乗車。
阿蘇駅までは乗客は私一人だったが、阿蘇駅から大勢乗り込んできた。
阿蘇駅はどうして駅舎正面の駅名をローマ字で書くのかと思っていたが、その理由が分かった。
乗り込んできたうちの8割が外国人、そのうちヨーロッパ系7割、アジア系3割。
世界的に有名な観光地なのだ。

本当は今日行くべきではない。
それは分かっているのだが、残念ながら今日しかチャンスはない。
今日ホテルの部屋にこもっていてもやることがないし掃除してもらえなくなる。
山で雨が降るということはあるものだ。
上級者向きの山で突然雨に降られて困る前に、初級者用の山で雨に慣れておこう。
もちろん登山靴はゴアテックスのハイカット。
雨具上下はゴアテックスではないが、湿気を通し水を通さないという点ではゴアテックスと同じ性能のエーグル社製。
ランニング用の帽子を被り、顔に雨がかかるのを防ぐ。
その上から雨具のフードをかぶる。
当然リュックにはリュックカバー。
これらの装備は常に持ち歩いているが、通常天気の悪い日には山に登らないのでほとんど使ったことがない。
数年前の屋久島で縄文杉を見た時以来である。

実は直前までバスは仙酔峡に行くのだと思っていたのだが、阿蘇駅発、もしくは阿蘇駅経由のバスは阿蘇パノラマラインを経由して阿蘇山西に行くのである。
それならそれでいいや。
ロープウェイで火口西に行き、そこから火口をぐるっと回って中岳、高岳に行けばいい。

阿蘇パノラマラインからの眺めは実に雄大だ。
特にそそり立つ往生岳の起伏とその緑が印象的だった。
ところどころ牛が放牧されている。

山の上部は雲に覆われている。
これじゃ上に行っても何も見えないな。
とりあえず草千里ヶ浜で降りてみよう。
全く今日は行き当たりばったりだ。
草千里ヶ浜は阿蘇の代表的景観である。
まずはここを楽しもう。

ここでは乗馬を体験することができる。




草千里ヶ浜ってなんで浜なの?
それはさておき、その向こうに烏帽子岳が見える。
上部が隠れているが、とりあえず登ってみよう。
左には乗馬を体験している人が見える。




少し登ってから振り返る。
阿蘇火山博物館の向こうに杵島山が見える。





もう少し前ならたくさんの高山植物を見ることができただろう。
10月なので終わっている花が多かったが、それでもきれいに咲く花もたくさんあった。
ただし阿蘇山に夏行くのはやめた方がいいだろう。
この山には木がないため、夏晴れると相当暑いと思う。




粘土質の土が滑りそうで怖い。
ただし、昨日は本当に滑ったが今日は見た目ほど滑らない。
雨で濡れているので慎重に登る。
この道、下りは結構気を使いそうだ。
登山で本当に危ないのは下りである。
特に体重を余裕を持って支える足の筋肉がない人はどうしても勢いがついてしまうために転倒して怪我をする危険がある。

あっけなく烏帽子岳山頂に到着。




この先に道があるはずなのだが見えない。
雨が強くなってきた。
地図には急坂と書いてある。
確かにあの向こうは急勾配に見える。
危険そうなので来た道を帰ることにした。









雨で濡れて、しかも下り。
かなり気を使いながら下山。
幸い昨日の祖母山に比べると、同じように滑りそうなのだが思ったほど滑らない土で助かった。

草千里ヶ浜の中央にぽっこりと浮かぶ丘に行ってみることにした。
そこに続く道、もしくは踏み跡が見える。




池に沈む草。




さっきまで乗馬で働いていた、もしくは待機していた馬たちはお昼の自由時間。
餌を与えなくても、その辺に生えている草を食べればいいのだから便利だ。
その代わり、辺り一帯は糞だらけである。




阿蘇火山博物館隣のレストランで昼食。
ここの牛肉が最悪であった。
噛んでも噛んでも噛み切れない。
こんな安肉を食べたのは久しぶりだ。
宿泊しているホテルの昨晩の牛ステーキを見習って欲しい。

昼食後バスで阿蘇山西に行く。
所要時間は5分ほど。
ロープウェイで火口西に登ろうと思っていたのだが、何と火山性ガスのため行けないとのこと。
残念だが今日上がっても何も見えない。
ここにはまた条件のいい日に来たい。

ロープウェイ乗り場。




そのままバスで帰ろうかとも思ったのだが、草千里ヶ浜への遊歩道があったので歩いてみた。
アスファルトで整備されていて歩きやすい道である。

東側から見た烏帽子岳。




辺りには牛が放牧されている。




至近距離で見つめられると怖い。
牛のすぐ左側が遊歩道なのだが、仕方ないので回り道する。


途中でなぜか杵島山への登山道になってしまった。
後で地図を見ると左に曲がるべきだったらしい。
ということは車道を通れということ?
今日は本当に行き当たりばったりだ。
この道はアスファルトで整備されていて、登山というよりはハイキングである。
途中雲で全く何も見えなくなった。
バスの時間もあり、山頂には行かずに草千里ヶ浜のバス停からバスに乗ってホテルに帰った。

悪天候のおかげで阿蘇山の別の面を見ることができた。
今度は条件のいい日に来たい。
いずれにしても、楽しめるところが何箇所もあるし、雨でも十分楽しめるというのはさすが阿蘇山である。