2008年10月19日城山・経小屋山

ようやく近くの低い山に登れる季節になってきた。
明日は山に登ろう、だから今晩は早く寝て明日の朝早く起きよう。
そう思って11時に寝たのだが、起きたら8時。
よく寝るなあ。
まあ最近忙しくて疲れているのだろう。
急いで飛び出したらカメラを忘れた。
君は山に何をしに行くんだ?
取りに帰る。
昨晩「広島百山」という本を見ながらいろいろと考えていた。
この本には広島県の山が100紹介されているが、車のない私が実際に行けるのはそのうちの2割程度。
しかし広島の山の魅力は何といっても瀬戸内海と瀬戸の島々が見えることであり、私が行ける山、つまり電車で行きやすい山は海に近いところにあるため低山ながらも魅力が大きい。
呉の灰ヶ峰山頂からの眺めは絶景らしい。
そこに行ってみようと思っていたのだが、カメラを忘れたために1本後の電車になり、そのためかやたらと乗り継ぎが悪いことが判明。
それでは昨日候補に挙げていた城山・経小屋山に行こう。
何といい加減な。
それなら山陽本線1本で行ける。

11時8分大野浦駅着。
これから山に登るにはかなり遅い時間である。
改札を出て右、広島市街方面に15分歩くと太い道路と交差し、左を見るとこの高速道路への道に追いやられ歩道に立つ可哀想な大鳥居が見える。

大頭神社。




境内を進むと、名勝「妹背の滝」に出る。
この写真のみ、実際に見た感じよりも明るく白っぽく写っていたので暗く補正した。
他の写真は一切補正していない。
その巨大さと濡れた岩の質感にぞくっとした。
さすが名勝と呼ばれるだけのことはある。




橋を渡り登山道へと進む。




高い山よりも低い山の方が安全で楽ということはない。
むしろ人が通らない分迷いやすく、道が悪いことが多い。
城山(じょうやま)への道もなかなかの悪路であった。

城山山頂。

標高は265.6mと低い山である。
ここには昔門山城という城があったそうだ。
城主は普段平地に住み、有事の際はこの城に籠もって戦ったようだ。
「馬のたらい」と呼ばれる大きな穴が岩に彫られていた。
雨水を溜めて飲料水として使ったらしい。
登った実感としては、ここに一体何人住めるのだろうというぐらい狭い。
平らな部分はほとんどなく、せいぜい十数人ぐらいしか住めないように感じる。


今回は大野浦駅→妹背の滝→城山→経小屋山→玖波駅というコースを辿ったが、このコースは全体に展望がとてもいい。
広島市方面を望む。
右は宮島。




これだけ展望のいいコースなのだから、できればもう少し整備してくれると助かる。
日曜日というのにコース上にやたらと蜘蛛の巣が多い。
つまり私の前に誰も通っていないということだ。
道は草に覆われ、少なくともこの夏は何も手入れされていない。

経小屋山山頂に到着。
標高596.6m。
山頂までは道路があり、車で来ることができる。
山頂付近は広場になっているが、展望は広島市方面のみ。
車道を少し下ったところに木の階段が見える。
そこを登ると展望台があり、こちらの眺めの方がいい。

宮島を眺める。




大竹方面。



北に連なる山々も見ることができたが、それほどの写真が撮れなかったので省略する。

この展望台からの下りがひどい。
草に覆われて道は見えないし、やたらと蜘蛛の巣が多い。
一度は木の階段を作ったのにその後全く手入れされていない。
しかし下ると別の展望台もあり、その後の尾根歩きも好展望であった。

すっかり秋色に染まる山。




大きな岩が多いのがこの山の特徴である。
心地よい尾根歩きを楽しむ。





岩に生える松。




深く草に覆われた道を不安になりながらも下り、車道に出るとガイドブックに書いてあるのとは違うところだ。
発電所がある。
バス停があったので見てみると、玖波駅まではバスで数分。
さらに下ると玖波小学校。
携帯のナビタイムに玖波小学校と玖波駅を入力すると地図が表示された。
こういう時便利だ。
目印がなくてもGPSで現在位置を確認することができる。
地図に従って玖波駅に到着。
4時半。
結構際どい時間だ。

4時50分頃、沈みゆく夕日に照らされる経小屋山。



心地よい山旅であった。
これほど展望のいいコースはなかなかない。
特に経小屋山から玖波駅への尾根歩きは最高だった。
にも関わらず、道は整備されておらず、日曜日というのに私の前に誰も通っていないというのは残念なことだ。
道が悪いため初級者にはお勧めできないが、手軽に登れる広島の山の中では屈指の展望のよさはぜひ多くの人に体験してもらいたい。