2009年4月ローマ2


ホテルの部屋から見る朝日。



ローマと言えばヴァティカン、ヴァティカンと言えばヴァティカン博物館。
ここを見るためにイタリアに来ているのだ。
ホテルからタクシーでヴァティカン博物館入り口に行く。
行列は思ったよりも短く、スムーズに入ることができた。

まずは「ラオコーン」.
肉体表現が見事!




地図のギャラリーの天井。
いい加減にしてと言いたくなるほどの豪華さである。




ラファエッロ作「アテネの学堂」
それぞれの人物にはモデルがいる。
中央で天を指すのはプラトン(レオナルド・ダ・ヴィンチ)、その右にアリストテレス、ラファエッロ自身も登場している。




中庭を行進するスイス衛兵。



残念ながらここも撮影禁止のところが多い。
システィーナ礼拝堂は、警備員に「静粛に!」と注意されながら、暗がりに多くの人が黙って立つ異様な雰囲気。
正面にミケランジェロ作「最後の審判」、天井には教科書にも載っている「アダムの創造」、「楽園追放」など。
流れに沿って歩いていたら外に出た。
しかし外に出てはいけない。
日本語による音声ガイドを借りた際、パスポートを預けたのだ。
警備員に聞くと、戻れという。
人の流れに逆行しシスティーナ礼拝堂に戻ると、本来の順路があった。
分かりにくいなあ。
この先に絵画館などがある。

絵画館には様々な絵があったが、印象に残ったのはダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」。
やはりダ・ヴィンチは特別で、これほど強く何かを訴えかける絵は他にない。

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラに上ろうと思ったのだが、行列が長くて断念。
ヴァティカンを後にした。

サンタンジェロ橋から見たサンタンジェロ城。




ナヴォーナ広場にある3つの噴水のうち、いちばん北側の「ネプチューンの噴水」。




「ネプチューンの噴水」から南側を見る。
向こうにオベリスクを中心に作られた「四大河の噴水」が見える。




四大河の噴水。





パンテオン。
広場に出た瞬間ぎょっとした。
すごい存在感だ。
現存するローマ建築の最も完全な遺構であり、世界最大の石造りの建築。
西暦118年にハドリアヌス帝が再建したものだ。
本来はもっと煌びやかに装飾されていたらしい。











パンテオン内部。





パンテオン正面の広場。











城壁をそのままにして建物が建つ。





いたるところに遺跡がある。
過去の栄華が偲ばれる。





今日はとことん徒歩にこだわって観光。
ヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂とその前を通るデモ隊。
デモ隊といってもほとんどやっていることは観光客と変わらない。
あちこち見学したり写真を撮ったりしていた。
中の博物館は無料。
そこを通り過ぎ、階段をのぼり、屋上のカフェで一休み。
フォロ・ロマーノやコロッセオが見渡せた。
フレッシュオレンジジューズはブラッドオレンジで、果汁そのまま、濃厚で甘く美味しかった。




トラヤヌスの記念柱。
非常に細かくダキア遠征の場面が彫られている。





マルケルス劇場。
本来はカエサルが建設を始めた円形競技場だが、その後建築資材の提供場となったり、上に宮殿が建てられたりし、現在に至る。




サンタ・マリア・イン・コスメディン教会。
「真実の口」があることで有名な教会。





「真実の口」。
グレゴリー・ペックのアドリブに驚いたオードリー・ヘップバーンの初々しさが思い出される。
本来は古代の井戸か何かの蓋ではないかと言われている。





教会内部は簡素な作りである。





フォロ・ロマーノ。





コロッセオ。
巨大すぎて全体が入らない。





コロッセオ内部。
地下の構造がむき出しになっている。
以前は地下から人力エレベーターに乗って、猛獣や人が出てきたらしい。
ここに水を溜めて海戦を行ったこともあるという。
当時は5万人を収容した。




コロッセオからコンスタンティヌスの凱旋門を見下ろす。
ローマ最大の凱旋門である。



コロッセオから北に歩き、アル・ジュビレオというレストランで早目の夕食。
コースを頼んだ。
一皿目のパスタやラザニアは美味しかったが、二皿目はいまひとつだった。
そこからタクシーでホテルに帰る。
これでイタリア観光は終わり。
後は帰るだけである。

翌日。
バスで空港に移動。
ローマからフィンランドまでは3時間。
フィンランド航空でヘルシンキから成田まで9時間。
ヨーロッパ成田間では最短だそうだ。
これぐらいならあっという間だが、帰りはテレビが壊れ映画「ホームレス中学生」が途中になってしまった。
多分ポーズを何度も押して止めていたのが原因なのだろう。
<教訓 こういう機械はあまり信用せず、なるべくいじらない方がいい。>
最後まで見られなかったのが残念だが、思ったよりもずっといい映画で感動した。
その後は昔のパソコンの起動時に出ていた黒地に白い字が何度も途中まで出ては消えた。
搭乗員に何度も直すようお願いしたが、まるで駄目だった。

パソコンで撮った写真を見ていたら、同じグループの女性が話しかけてきた。
「こんなにきれいに撮れるんですね!」
せっかくなのでたくさん見せてあげようと思って操作したら、オーバーワークで固まってしまった。
こいつもこちらが気を使わなければならない。
パソコンは以前から少しずつおかしくなっていたが、これが決定的ダメージとなり壊れ、以後4月いっぱい新しいパソコンの設定、ヴェネツィアの写真、修理などの諸問題に翻弄されることになる。

成田空港に午前8時45分に到着。
自宅に帰るまでやたらと眠かった。
ヨーロッパではこれからが寝る時間だ。
機内では何とか2,3時間寝たが、窮屈なエコノミークラスの座席では熟睡は無理だ。
日本はイタリアよりは涼しいが、出国時よりは大分暖かくなってきた。
桜が満開なのがうれしい。

時差ボケは結局1週間ぐらい残った。
朝は眠くても起きる、眠くても昼寝はしない、夜は眠くなくても寝る。
そうするしかない。

<添乗員>
すばらしい添乗員だった。
人柄もよく、仕事もきっちりとこなしていた。
しかし大変な仕事だ。
たまにならいいが、いつもだと相当疲れるだろう。

<金額>
今回13万円台だった同じツアーがゴールデンウィークには35万円台。
2月に申し込んだ時点では19万円台、それが3月10日ごろに値下がりしたという連絡があった。
金額は出発日によってとてつもなく違う。
いつでもいいのなら、20日前ぐらいまで待って、人数を埋めたいと値下げしてくるのを見極めて申し込むのがいいだろう。
丁度4月から燃油サーチャージがほとんどなくなったということも大きかった。
不景気や円高など、全てがプラスに働いた。

<ツアー>
自分で手配すると、往復航空運賃だけであまり変わらない金額になってしまう。
これだけツアーが安いと、ツアーで旅行するしかない。

<運転手>
添乗員によると、今回の運転手は経験豊富で道やいろんな事情に詳しく、安全運転でよかったそうだが、前の車にぴったりとくっつくあたりは日本だとかなり怖がられると思う。
ニースの講習会でイタリア人の運転する車に乗せてもらったが、道幅の狭い石畳の道を、両手を離して真横を向き、助手席に座っている友人とゼスチャーを交えながら興奮して会話している様子は、後ろから見ていて恐怖だった。
今回タクシー運転手はまともだったと思うが、それでも結構飛ばしていた。
外れるとかなり怖いらしい。

イタリアはすばらしかった。
これ以上の観光地は他にあるだろうか。
金額が安いと満足感が高い。
ツアー恐るべし。
来年は安いところで中国にしようかな。
旅行熱に火が付いてしまった。

終わり