2009年4月ヴェネツィア

ヴェローナからバスで2時間かけてヴェネツィア・メストレ地区にあるホテルアントニーに移動。
例によって郊外にある団体客用のホテルである。
ホテルのレストランで夕食。
今回の旅で最もすばらしいホテルだった。
夕食も朝食も美味しく、部屋は広く豪華で巨大な鏡が壁一面を覆っていた。
ウェイターのおじさんが陽気で楽しい。
ところでこのツアーでは、食事は11食ついていたが飲み物は個人で頼まなければならない。
私は基本的に、昼は1〜1.5ユーロ出して水を、夜はさすがに水だけでは寂しいので赤ワインと水を頼んだ。

朝5時過ぎに起きて、早朝ランニング。
いかにも郊外という街並み。

さて、翌日のヴェネツィア観光。
強行軍のため、僅か半日の滞在である。

昔ヴェネツィアには船で行くしかなく、敵は船で攻めるしかなかったが付近には浅瀬が多く、どこに浅瀬があるのか熟知していないと船が座礁してしまうため非常に攻めにくい要塞であった。
現在はリベルタ橋という4kmほどの橋がかかり、水道、電気など全てを本土から供給している。
橋は道路と鉄道が平行して走る。
その橋を通ってヴェネツィアに到着。
ここでバスを降り、船に乗り換えてドゥカーレ宮殿近くの船着場に到着。

溜め息橋は元々小さな橋でそれほど期待するようなものではないが、工事中で工事のスポンサーの広告で覆われて思わず溜め息。
ドゥカーレ宮殿で有罪判決を受けた囚人が、この橋を渡って牢獄に向かった。
生きては戻れないと溜め息をついたというのがこの名の由来である。

サン・マルコ広場に到着。
朝早く、まだ店が開いていない。

少し路地を入り、ツアーに含まれているゴンドラ観光。

ゴンドラ乗り場。




ゴンドラは黒塗りに装飾が施され、高級感があり、流線型が美しい。




低く波がなく静かな水面、古い街並み。
音もなく橋の下をくぐる。




広い運河に出る。
後ろのゴンドラが追い付いてきた。




狭い水路はたくさんのゴンドラでごった返している。


ヴェネツィアには車がない。
そのためゴンドラに乗るとまるで音がしない。
こういう静けさは久しぶりに体験した。
水路がまるで道であるかのように、各建物には出入り口がある。

サン・マルコ寺院内部を見学。
9世紀に建てられたとのことだが、非常に古く歴史を感じる。
全面を飾るモザイクが見事だ。

次にツアー客の義務としてベネチアングラスの工房に行き、実際に釜に入れて手作業で作る様子を見学した。

その後1時間ほど自由時間があったので、ドゥカーレ宮殿に行く。
時間が足りず、慌しい見学となった。
何といっても「大評議の間」がすばらしい。
広大な空間が天井も含めて全面油絵で覆われている。
特に正面にある、世界一大きいと言われるティントレットの「天国」の存在感が圧倒的だ。

館内は残念ながら撮影禁止。
これは階段上部。



窓から外も撮影OK。
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会のあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島。
今にも沈みそう。
温暖化は大丈夫?



再び集合して路地に入り、レストランに向かう。
道は迷路のようで、迷子になったら大変だ。
実際に昼食後ちょっとした待ち時間にコーヒーを飲みに出かけたツアー客のうち2人が迷子になり待たされた。
最悪の場合は置いていくこともあるという。
最近は携帯電話の多くが自動的に世界中で使えるようになっている。
今回添乗員の携帯の番号は知らせていたが、いざという時のために、添乗員とツアー客がお互いに番号を把握した方がいいと思う。
ちなみに、「→サン・マルコ広場」という表示はいたるところにあり、迷っても主だった場所には行ける。
しかし入り組んだ路地の奥にあるレストランに戻るのは極めて困難だ。

昼食は、グリーンサラダ、イカ墨パスタ、イカや海老を揚げた料理、デザートにアイスクリーム。
今回ワースト3に入る味だった。
値段は相当安いだろう。
イタリアは修学旅行の時期で、どの街、どのホテル、どのレストランに行っても子供達で溢れている。
子供達と先生の団体がぞろぞろと出て行ったと思ったら、数分もしないうちに次の団体が入って来る。
するとすかさず料理が出てくる。
回転率は相当いい。
イカ墨パスタは日本の方が美味しい。
独特の匂いがするが、味は普通。
揚げ物も悪くはないが安っぽい。

サン・マルコ広場に戻ると、たくさんの椅子とテーブルが並べられ、3つの団体が演奏していた。
正面に鐘楼。
高さは96.8m。
1902年に突然倒れ、1912年に再建された。
エレベーターで鐘のある場所まで上がることができ、そこからの眺めがすばらしいらしいが、今回は残念ながら時間がなかった。



広場の向こうに先ほど内部を見学したサン・マルコ寺院。









「雷鳴と電光」、「カルメン」など知っている曲にリズムを合わせながら、迷子の二人を待つ。
幸いしばらくして広場を歩いているところを発見された。




徒歩で船着き場に移動。
ヴェネツィアともお別れだ。



再び船に乗り、ヴェネツィアを離れる。
船からの眺めもすばらしい。
先ほどドゥカーレ宮殿から見たサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会。


今日の観光は午前中のみ。
午後は4時間半かけてフィレンツェ郊外の街へ移動した。

続く