2009年7月4日寒風山

先日好日山荘にアミューズトラベルという会社のチラシが置いてあったので持ち帰った。
3日、文化庁公演ワークショップの仕事の前にアミューズトラベルに立ち寄り、カタログをもらって読んでみると、翌日のツアーがある。
電話をしたら空いているとのことで、急遽申し込んだ。
後で聞いた話によると、このツアーはしばらくの間満席だったのだが、直前にキャンセルが出たのだそうだ。

7時広島駅新幹線口集合。
座席は決まっていて、前から申し込んだ順になっている。
私はいちばん後ろの真ん中、最後の一席である。

私の左は常連のAさん。
60代で百名山制覇までもう少しというベテランである。
この人がよく喋る。
私の右には、毎年のように海外ツアーに参加するというつわものBさん。
Bさんも多分60代。
世界の名だたる高峰を制覇しているようだ。
キリマンジャロにも行ったとのことであった。
お二人とも経験豊富で私がこれから行きたい山にはすでに行っているので、いろいろとお話を伺った。

このツアーは普段女性の方が多いそうだが、今回は男性13名、女性12名。
50代、60代の方が多い。
尾道から乗車してきたCさんは恐らく50代後半の女性だが、すでに百名山を制覇しているそうだ。

しまなみ海道では、昨年自転車で通った時のことを懐かしく思い出した。
休憩所からの眺め。
前日に買ったばかりのオリンパスE−P1で撮影。
この写真のみnatural、2枚目以降はvividで撮影したが、やはり風景はvividの方がいいように感じる。
昨年自転車で横断した時もそうだったが、しまなみ海道は霞んでいることが多く、撮影が難しい。



登山口は標高1100m、山頂が1763m、今回の標高差は663m。
バスは寒風山トンネルを抜けてすぐに左折し、1000mの標高差を上っていく。
登山口到着は11時。
広島駅から4時間、遠い。

登山口からいきなりの急坂を延々と登っていく。

1時間ほど登り、ようやく目指す寒風山が見えてきた。



桑瀬峠で昼食休憩。
若い女性が富士山に行くという話で盛り上がっていた。
登山の経験があまりないようだが、綿のTシャツはまずいと思うなあ。
このぐらいの山なら大丈夫だろうが、富士山では命に関わる。
山の経験がない人がいきなり富士山を目指すのが最近の流行のようだが、富士山を甘く見てはいけない。
あれは厳しい山だ。
知識をしっかりと身につけ、経験を積んでから登るべきだと思う。

今日は残念ながら曇っていて展望が今一つだったが、気持のいい尾根歩きを楽しんだ。
来た道を振り返る。




寒風山も石鎚山系だが、石鎚山の山頂に似た山容が見事だ。
ただしこれは山頂ではなく、この岩峰を越えて山頂を目指す。








E−P1の画質はE−420と同等、もしくはそれ以上だと感じる。
透明感や空気感は上回っていると思う。
ボケ味は同じぐらい。
この大きさでこの画質はやはりすばらしい。
手ぶれ防止、動画撮影、水準器などの機能も加わった。
私自身は先日E−420で試してみたのだが、どういうわけかファインダーを覗くよりも液晶画面を見て撮影した方が構図も平行も上手く行く。
E−P1ではそれに水準器が加わる。
この水準器が非常に効果的だ。
自分の感覚に頼るよりも後で見た時にずっと満足度が高い。
E−420はライブビュー時のオートフォーカスが非常に遅いが、E−P1ではその点はかなり改善されている。
ただ、ファインダーで撮影する時の一眼レフよりはやや遅い。
より素早い撮影がしたい人は一眼レフがいいだろう。
ただ、私自身は風景写真が多く、ファインダーを覗くよりも液晶画面で撮影する方が素早く撮影することができる。
カメラを目の位置まで持って来る必要がないからだ。

今回ツアーに初めて参加した。
やはり集団行動なので後ろの人を待たせないように気を使う。
撮影したいものがあったら電源を入れ、構えてすぐに撮る。
平行や構図をじっくりと決める余裕はない。
しかしその割にはいい写真が撮れたと思う。





登山道は全体によく整備されている。
危険な個所には梯子が設置されている。

























越えてきた岩峰を振り返る。



本来山頂からの眺めは素晴らしいそうだが、今回は残念ながら展望がなかった。






行きは70代後半とおぼしき女性がやや遅くそのペースに合わせたが、その方は自分が遅いことをとても気にしていた。
ツアーだから初心者でも安心という面は確かにあるが、逆に自分が周りよりも遅いと気を使い、疲労するということもある。
ほとんどの人はかなり慣れていてスピードが速い。
ある程度トレーニングしてから参加した方がいいかも知れない。
下りは先ほどの若い女性が遅れた。
逆に上記の女性はびっくりするほど快調に下った。

尾道に沈む夕日。
移動している電車やバスからの撮影は難しいが、何とか上手く撮れた。



帰りのバスでも楽しく会話。
Aさんはリュックを大きさ別に6つ持っていて使い分けているそうな。
Bさんは今度の海外ツアーのために八万円台の靴とアイゼンに合わせて十二万円も出したのにそのツアーが中止になったと嘆いていた。
日本の高い山ぐらいでは使わない靴のようだ。
海外ツアーは安いものでも四十万円台、百万円以上というものもある。
私にはとても無理。
国内でも3日以上のツアーは十万円以上かかる。
残念ながら予算が合わないので一人で行くしかない。
逆に今回のツアーは9500円だったが、一人で行くのとそう変わらない。
私は車がなく、寒風山は一人で行くこと自体が不可能なのでとても助かる。

こんなに打ち解けて話ができるとは思わなかった。
趣味が同じでしかも私より経験のある人ばかりで、どの話も聞いていてためになるし面白い。

残念ながら今回は展望がなかったが、それでも十分に楽しめた。
すばらしい山だった。
また日帰りツアーには参加したい。