2009年9月北岳・間ノ岳・農鳥岳

<注意!>
体力に余裕がないと頭が白くなり、何でもないところを踏み外して滑落する。
運動していない人が高い山に登るのは自殺行為です。

空気が薄い。

単独は危険。

橋が危ない。

<暗くなってから>
甲府から同じバスに乗った西欧人2人が、6時を過ぎて暗くなってから肩の小屋に到着した。
山で暗くなったら危ないよ!
9時半のバスしかないのは問題ではある。
広河原11時27分着。
11時半から通常なら6時間かかって5時半。
ということは、よほど体力に自信があり実績もある人が、休まず急いで登る。
そうでなければ計画を変更すべきだ。

<そういう私も>
そういう私も過信していた。
登りは常に書いてあるよりも相当速い。
2時間と書いてあるところも1時間で登れるということはよくある。
一人で休まず登れば4時半には着けるだろうという考えが甘かった。
途中までは確かに1時間速かった。
ところが標高が3000m近くなって登りが徐々にきつくなり、呼吸を整える時間が長くなる。
心臓の音が聴こえたら、聴こえなくなるまで待つようにしていたのだが、それにかなりの時間を取られた。
写真をたくさん撮ったということもあるが、結局コースタイムは書いてあるよりも20分速いだけで、17時10分に肩の小屋に到着した。

<人がいるところを登る>
一人での登山は何かあったら怖い。
骨折して動けなくなったら?
滑落して自力で登れなくなったら?
今回携帯はどこも通じなかった。
間ノ岳を過ぎてからは、たった一人とすれ違っただけ。
なるべく人のいるところを通った方がいい。
混雑した山小屋は嫌だが、日帰りならあえて休日に登るという手もある。
平日でもなるべく人気の山の人気のあるコースを通ろう。

<携帯>
今回携帯は全く通じなかった。
特に、大門沢の下りでは2か所にドコモの携帯が通じると書いてあったのに通じなかった。

<迷ったら引き返せ!>
これは×と書いてあるのか、それとも矢印なのか、判別できない。
あちらから登山者が降りてきた。
さっきも登りと下りが別の道になるよう指示が書いてあった。
それに、これは確かに道だ。
踏み跡がある。
きっと大丈夫だろうと思ってしばらく登ると、何だかおかしい。
おかしいと思った瞬間に引き返すべきだった。
多分このまま上がればさっきの道と合流するはずだ。
ところが上がっても合流しない。
やばい。
全てが浮石のようなところで、明らかに登山道ではない。
こういうところは登るのは簡単でも降りるのは難しい。
ここまで来たのだから、もう少し行ってみよう。
これは完全に遭難者の心理だ。
しばらく行って、ようやく先ほどの登山道に戻ることができた。
さて、どちらに進むべきか。
地図とコンパスで確認、左だ。
迷ったら引き返せ!
命が危ない。

<水が冷たい!>
北岳肩の小屋はトイレ、水は外にある。
その水で手を洗うと、叫びたくなるほど冷たい!
翌朝の気温は氷点下2度、雪が降っていた。

<天の川>
夜中にトイレで外に出ると、天の川がきれいに見えた。

<寒い!>
肩の小屋は空いていたので、隣の毛布もかき集めて下に4枚、上に4枚。
下着はブレスサーモ上下(水分を吸収すると発熱する素材)、保温タイプのロングスリーブシャツ、フリース、下はズボンと靴下、それでも寒い。
仕方がないのでさらにその上からダウンジャケットを着て寝た。
一応暖房はしているはずなのだが。

<布団>
肩の小屋はマットレスはなく、上下とも毛布で寝る。
かなりたくさん敷いたのだが、それでも背中が痛くて仰向けでは寝られない。
横を向いて寝た。
ただ、毛布だけで寝るというのは山小屋ではごく普通のことである。

<トイレ>
トイレはどこもぽっとん便所。
木の板に穴が開いているだけ。
肩の小屋はそこから風が吹き上げて来た。
農鳥小屋は垂れ流し。
今時これはまずいでしょう。
近くで弁当を食べていたら、風で使用した紙が飛んできた。

<寝れば元気>
大門沢小屋では7時に寝た。
起きたのは4時半。
さすがにこれだけ寝ると翌日元気だ。

<雲>
3日目の天気は晴れ。
ところが山頂を見上げると7時台にすでに雲に覆われている。
晴天でも展望があるとは限らない。
山は難しい。

<地上>
地上に降りると蝉が鳴いていた。
夏のような気温。
地上は夏、山は冬。

<バス>
奈良田から身延駅行きのバスは時間に正確だ。
信号は駅の近くに数個あるだけ、山道は通行量もかなり少ない。

<お年寄り>
奈良田から乗ったお婆さんは1時間1410円かけて病院へ。
1日数本しかないバス、帰りは何時だろう?
途中から乗って890円払ってバスを降りたお婆さんは買い物だそうだ。

<日焼け>
なぜ日焼けしているのか?
この赤み、それにサングラスの跡があるので今日だ。
昨日はずっと曇り、強風、時々雨または雪という天気でサングラスはかけていない。
確かに地上に下りて車道を1時間ほど歩いたが、強い日焼け止めは塗っているし、こんなに赤くなるとは思わなかった。

<筋肉痛>
筋肉痛は下りで発生する。
二日目大門沢への下りは急で、雨で濡れて岩も砂利も土も木も滑りやすく、慎重に下った。
高度差もかなりあり、三日目の下りは筋肉痛でまるでフルマラソンの翌日にハーフマラソンを走っているかのようだった。

<パウダー>
大門沢小屋でポカリスエットのパウダーを販売していた。
これは便利だ。
山小屋で買ったものでも、ゴミは全て自分で持ち帰らなければならない。
いちいちペットボトルを買っているとリュックに入らなくなる。
水を買い、スポーツドリンクのパウダーを入れるのがいい。
ちなみに大門沢小屋は水が豊富で、無料だった。

<シャワー>
大門沢小屋では、山小屋では珍しくシャワーを浴びることができた。
500円で専用のコインを購入し、ボイラーが止まるまで待ってからシャワー室に行き、コインを入れると4分間お湯が出る。