2009年9月北岳・間ノ岳・農鳥岳1

<北岳登山計画>
初日
東久留米駅 7時16分発
立川7時54分発 あずさ3号
甲府 9時7分着

バス
甲府駅 9時30分発
広河原 11時26分着

広河原 11時30分
二俣 2時30分
御池小屋との合流地点 4時30分
北岳肩の小屋 5時30分
TEL 055288−2421
090 4606 0068

二日目
肩の小屋6時30分出発
北岳山頂 7時20分
北岳山荘 8時10分
間ノ岳 9時50分
農鳥小屋 10時50分
農鳥岳 12時20分
大門沢下降天 13時
大門沢小屋 15時30分
055-648-2648
090-7635-4244
夕食は5時から

3日目
大門沢小屋 7時出発
奈良田 10時30分着

バス
奈良田13時30分発(9時25分)
身延駅14時59分着(10時54分)

身延駅 15時4分発 ワイドビューふじかわ7号
    16時14分発 普通
    17時4分発 ワイドビューふじかわ9号
詳細はナビタイム参照

<注意!>
北岳肩の小屋のホームページには広河原から肩の小屋まで6時間と書いていますが、これは山に慣れた人が休憩せずに登った場合であって、一般の人が6時間で登れると思ったら大変なことになります。
必ず余裕を持って行程表を作りましょう。
決して私の真似はしないでください。
これまで私は、特に登りは書いてあるよりも大幅に時間を短縮してきましたが、今回はきつかった。
何時間も歩き続け疲れてきたところに標高3000mの薄い空気、延々と続く急な登り坂。
途中コースタイムよりも1時間も速く歩きながら、結局トータルでは20分しか短縮できませんでした。
(ただし写真を撮らなければさらに30分ぐらい短縮できると思います。)

高い山は危険です。
必ず低い山で経験を積み、徐々に高度を上げましょう。
500m、1000mと500mずつ上げるのがよいと思います。
できるだけ多くの本を読み、知識を蓄えましょう。
知識がないと命に関わります。
例えば、山で綿を着てはいけません。
綿を着ているか着ていないかで生死が分かれます。
こういった、多くの知識が必要です。
高い山に登るには、きちんとした装備が必要です。
富士山では太った外国人が綿のTシャツに短パンで登る姿を目撃しましたが、これは無謀であり、山に対して失礼、何かあれば多くの人に迷惑がかかります。
9月に北岳に登ろうと思ったら、防寒用の下着(ミズノのブレスサーモなど。ユニクロのヒートテックは結局綿と同じなので駄目です。)、防寒用長袖シャツ、ロングタイツ、フリース、ダウン、ゴアテックス製の雨具上下、ゴアテックス製の真冬用手袋、リュックカバー、登山靴が必須です。
このうちダウンが欠けるだけでも命に関わります。
北岳での死亡原因第1位は凍死です。
ちなみに今回の最低気温は−2度、雪や雹が降っていました。

日頃運動していない人は高い山に登ってはいけません。
登山に有効な運動は、ランニングと登山の2つです。
毎日走るか、それとも週に何度も近くの山に登って鍛えるか、どちらかしかありません。
登山のためには着地の衝撃に耐える筋肉が必要です。
ウォーキングでは山の強烈な着地の衝撃に耐える筋肉はつきません。
体力的な余裕がないと、非常に危険です。



甲府9時30分発のバスで広河原へ。
バスは山の中の狭い道を延々と登る。
途中夜叉神峠から一般車両通行止めになる。
夜叉神峠は鳳凰山への登山口だ。
鳳凰山にもいずれ登りたい。

広河原11時26分到着。
できればもっと早く登り始めたいのだが、このバスしかない。
今回は北岳、間ノ岳、農鳥岳3山縦走2泊3日、これ以上の時間は残念ながら取れない。
暗くなったら大変だ。
気合を入れて登る。

物資を運ぶヘリコプターがさかんに行き来していた。




大樺沢コースを登る。
手袋で撮影しているうちに、気が付いたらISOが6400になっていた。
何だかラフモノクロームみたいでいい感じだ。





しばらくは展望がないので花ばかり撮影。
よく9月にこれだけ花が咲いているものだ。
7月に天気がよく決行していたら、さらにたくさんの花に出会えただろう。



























大樺沢二俣の先、左俣コースには9月というのに雪渓が残る。
このコースは、雪渓が非常に危険だ。
転落事故のドキュメントを読んでぞっとした。
7月に北岳山荘に問い合わせた時も、このコースは通らないようにと注意された。
9月は雪が少ないので大丈夫か?










大樺沢二俣に到着。
ここまでは順調で、かなり時間を短縮した。
肩の小屋方面に向かう。



























































急坂が続き、空気も薄く、徐々にきつくなってきた。
雲が上がってきて展望がないが、時間が遅いので仕方ない。
山はこういうものだ。



















木が斜めに生えているのはなぜ?
風のせいだろうか。



















やっと尾根に出た!





尾根の少し下、急斜面に頼りなさそうな道。





しばらく行って振り返る。












ようやく北岳肩の小屋に到着。
きつかった。
20分しか短縮できなかった。
5時10分到着、所要時間5時間40分。






小屋の近くでテントを張る人たち。
寒そう!大丈夫か?





しばらくすると、雲が降りて雲海の彼方に富士山が見えた。





北岳山頂方面もはっきりと見える。






彼方に北アルプス、右に仙丈岳。





北アルプスを望遠で撮影。






上の写真をさらにトリミングした。
槍ヶ岳や穂高岳が見える。





雲に飲み込まれそうな仙丈岳。





西の空に僅かに夕焼けが見えた。





徐々に暗くなり、町の明かりが灯り始めた。




午後6時半頃、暗くなってから西欧人二人が小屋に到着した。
甲府からのバスで一緒だった人たちだ。
一般の人は順調でもこれぐらいかかるだろう。
つまり広河原から肩の小屋まで7時間。
暗い中、よく無事に到着したものだ。
道に迷えば命に関わる。
一般の人は広河原11時27分到着で肩の小屋まで行こうなどとは決して思わないこと。

<水が冷たい!>
北岳肩の小屋はトイレ、水は外にある。
その水で手を洗うと、叫びたくなるほど冷たい!
翌朝の気温は氷点下2度、雪が降っていた。

<天の川>
夜中にトイレで外に出ると、天の川がきれいに見えた。

<ヘッドライト>
当然のことながら、登山にヘッドライトは必須です。
もし暗くなって道が分からなくなったら、高山では凍死する恐れがあります。
山小屋では消灯時間を過ぎると真っ暗、ヘッドライトがないとトイレにも行けません。
懐中電灯では手が使えなくなり危険です。
必ずヘッドライトを持参しましょう。

<寒い!>
肩の小屋は空いていたので、隣の毛布もかき集めて下に4枚、上に4枚。
下着はブレスサーモ上下(水分を吸収すると発熱する素材)、保温タイプのロングスリーブシャツ、フリース、下はズボンと靴下、それでも寒い。
仕方がないのでさらにその上からダウンジャケットを着て寝た。
一応暖房はしているはずなのだが。

<布団>
肩の小屋はマットレスはなく、上下とも毛布で寝る。
かなりたくさん敷いたのだが、それでも背中が痛くて仰向けでは寝られない。
横を向いて寝た。
ただ、毛布だけで寝るというのは山小屋ではごく普通のことである。

<トイレ>
山小屋のトイレは基本的にはぽっとん。
木の板に穴が開いている。
そこから冷たい風が吹きあがってきた。

<天気予報>
天気の悪い日に高山に登ったら命が危ない。
絶対にそんなことはしない。
本来は7月に登るはずだったが、天気が悪かったので中断したのだ。
今回週間予報を毎日見続けた。
前日の夜まで数日間は安定した天気が続くという予報だった。
山小屋に着いてから、「明日は弱い気圧の谷が…」などとNHKのニュースでやっている。
そんなの事前に言ってよ!
山の天気は難しい。
地上が晴れていても、雲に覆われて視界が数十メートルというのはしょっちゅうだ。