2009年10月雲取山2


<2日目>
5時過ぎに隣のおばさんたちの話声で目が覚めた。
昨晩も消灯後しばらく話していた。
元気な人たちだ。

5時半頃外に出る。
日の出前の雲取山荘。





日の出前の朝焼け。






ご来光。





朝食を終え、準備して6時35分出発。
平坦な道か緩やかな坂でウォーミングアップしたいところだが、朝食直後いきなりの急坂。

雲取山荘を振り返る。






午前7時、山頂に到着。
山頂から富士山を眺める。





山頂では相部屋だったTさんがくつろいでいた。
Tさんは百名山にはあまりこだわっていないそうで、車で移動し、あまり人が通らないようなルートを登るのが好きなようだ。
また、山頂ではゆったり過ごすのがいいらしい。
私は車がないし、一人で何かあったら怖いので、なるべく人が多く通るルートを行くようにしている。
山頂にはあまり留まらず、歩きながら1歩あるくごとに変化する風景を楽しみ写真を撮るのが好きだ。

この山はすごい。
眺めがいいのは山頂だけではなかった。
鴨沢まで下りるルートは、素晴らしい展望が延々と続く。
さすが百名山に選ばれるだけのことはある。
富士山のある風景というのはいい。
ここは天国だ。
ただし落ちたら地獄、気をつけよう。






昨日越えてきたいくつものピークを振り返る。






雲取奥多摩小屋。





紅葉がまたすばらしい。
山全体が赤や黄色に燃えている。
あまりに景色がいいと前に進めない。
一歩進んでは眺め、感動し、写真を撮る。
これではバスに乗り遅れてしまう!





電力会社の皆さんが重い機材を背負って登っていく。
鉄塔や電線の管理のため、全国にこういう人は一体何人いるのだろう。
鉄塔や電線を管理するためには、まずそこに至る道を整備しなければならない。
つまり草木を定期的に刈る必要がある。
この人たちが整備してくれるおかげで快適に登れる山は、実は多い。


































鴨沢まで110分という標識、時計を見ると8時50分。
ほら、やっぱり!
10時32分のバスに乗るには10分短縮しないといけない。
これだけ眺めがいいと乗り遅れるのも仕方ないかと思いつつも、とりあえず急ぐ。
途中で針葉樹林体になり、眺めがつまらなくなった。
チャンス!
ここからは超特急。
ガイドブックにこのコースは道がいいと書かれていたが、確かにその通りだ。
ただし東側が切れ落ちていて、しかも道が狭く、落ちたら死ぬというところは数多くある。
そういうところはよそ見をしながらということはできない。
ただし気をつければ落ちることはない。
下り坂はピッチ走法、平坦な道は腕を振ってストライド走法で飛ばす。
これで間に合わなかったら110分という表示が間違っている。

バス停に着く少し前、奥多摩湖と紅葉。




結局バス停には10時13分に到着。
所要時間1時間23分。
写真を撮らなければ多分1時間15分ぐらいだっただろう。

バス停に着くと、昨日夕食をご一緒した60代の女性がベンチに座っていた。
若々しくすらっとしていてとても60代には見えない。
お孫さんまでいるそうだ。
山の話題が尽きない。
10時32分のバスは11時5分(時刻表では11時10分到着予定)に奥多摩駅に到着。
11時13分発の青梅線青梅行きで11時50分青梅着、そこで向かいのホームの青梅線快速東京行きに乗り換える。
結局その方とは拝島までずっと山の話をしていた。

これまで山でここまで人と打ち解けて話をするということはなかった。
例外はアミューズトラベルのツアーで寒風山にご一緒した、例のトムラウシ山の生還者亀田さんぐらいである。
大菩薩嶺で一緒になった爺さん二人組はひどかった。
バスで一緒だったのだが、私とは逆回りで、山頂手前で会った時、「これから山頂?遅いね。」
こちらのコースの方が時間がかかるのを知らないのか?
それにこちらは数百枚も写真を撮っているのだ。
バス停で再び会うと、「間に合ってよかったね。」
あなたたちより大分早く着いて、雲峰寺で時間を潰し、石段を下りて来るのを見ただろうに。
こういう呆け老人が山にいるとは、思い出しただけでも気分が悪い。
人間は駄目だ、自然はすばらしいと思ったものだ。
今回は山小屋で出会った年配の男性も、人懐っこいいい方であった。

<刺身>
何と刺身が出る山小屋があるそうだ。
毎日人が担いで登るというから凄い。
確か仙丈ガ岳?いや燕岳?
次から次へと山の話が出たので、こんがらがってしまった。
上記の女性の話。

秋の紅葉の時期、三峰から鴨沢に至るこの縦走路はまさに天国。
急な坂道はあるが、3000m級の山に比べると危険度は低い。
ぜひ一度登ってみてください。