2009年12月29日五剣山
香川県での登山は、四国八十八ヶ所霊場を巡る旅でもある。
五剣山には第八十五番八栗寺がある。
ケーブルカー乗り場の左側から参道をしばらく登ると八栗寺本堂がある。
背後には五剣山の岩峰が連なる。
本堂の両側に石段があるが、どちらを登っても中将坊に着く。
ここからは左の山道を行く。
20分ほど登ると西尾根に着く。
ここで右折するが、道が細く頼りない。
少し登ると眺めのいいところがある。
東側、進行方向に一峰がそびえ立つ。
西方面は息をのむほどの絶景。
数日前に登った屋島が、山頂が平らな不思議な山容を見せている。
道は相当悪い。
急坂で落ち葉が分厚く積り滑りやすい。
ロープや梯子が設置されている。
元の道が判然としないのに、そこから多くのわき道があり、その先に仏様が安置されている。
迷いやすいことこの上ない。
ロープで体を引き上げ、ほとんどロッククライミングのようにして登る。
アップダウンを繰り返したが、それぞれの峰には祠が祭られている。
あの崖といってもいいほどの難所を、一体どうやって運んで来たのか。
苦労して四峰を超えると、その先には崩れ落ちた五峰がある。
その山頂の祠に、何と人がいる!
何とかあそこまで行きたい。
ところがその先には垂直の崖に細い鎖。
20mは下っている。
これは無理だ。
登山に命をかける気はない。
残念だが引き返す。
後でインターネットで検索したら、どうやら北に迂回路があるようだ。
同じく東方向、こちらは広角。
右には志度の街並み。
北には瀬戸内海。
絶景をしばし堪能する。
深い森の中をまるでロッククライミングのように登ったり降りたり。
一体自分がどこにいるのか分からない。
わき道に入ると祠、その先には、これは先ほど登った四峰か?
この山には多くのわき道がありやっかいだ。
その先にはこのように岩を削り、仏様が安置されている。
ついに道に迷った。
八栗寺本堂はそこに見えているのに、来た道が分からない。
道が判然としない上に脇道が多すぎる。
結局後で考えると、赤いテープの先、あの道も下手に下ってはいけないと思いとどまったが中将坊への道だった。
しばらく迷った挙句、中将坊へ道なき道を、落ち葉を滑り台のようにして下る。
あり得ないほどの絶景に体が震えるほど。
これほどの展望、感動はそうないだろう。
しかしこの山は危険すぎる。
よほどの上級者でなければ止めておいた方がいい。